MENU

ミナミヌマエビ・ヤマトヌマエビの飼い方、繁殖・脱皮・死んでしまう原因まで踏み込んで解説

当ページのリンクには広告が含まれています。
水草が茂ったガラス水槽の中でミナミヌマエビが数匹泳いでいる様子

この記事の結論

  • ミナミヌマエビは淡水でも繁殖するため、環境が合えば水槽の中で世代を重ねて増えていく
  • 脱皮は成長の証で、抜け殻を死骸と勘違いして慌てる初心者はとても多い
  • エビが死んでしまう主な原因は、水合わせの失敗・水質の急変・薬品や銅イオンの混入の3つに集約される
目次

コケ取り目的だけじゃない、エビを主役にして楽しむという選択肢

エビ・貝を混泳させるメリットを扱った記事では、コケ取り生体としてミナミヌマエビとヤマトヌマエビを紹介しました。

あの記事では「魚の水槽に迎えるコケ取り要員」という位置づけで説明しましたが、実はエビそのものの生態を深掘りしていくと、コケ取り以外にも面白い側面がたくさんあります。

筆者自身、最初はコケ対策のつもりでミナミヌマエビを数匹迎えただけだったのですが、気づけば抱卵した個体を見つけては喜び、脱皮の抜け殻を見て「え、死んだ?」と焦る、というのを何度も繰り返していました。

この記事では、ミナミヌマエビ・ヤマトヌマエビを主役として飼ううえで知っておきたい、繁殖・脱皮・そして死んでしまう原因という3つのテーマを、少し踏み込んで扱っていきます。

木製の棚の上に置かれた水草水槽を部屋ごと引きで撮影した様子

エビ水槽を作るときに気をつけたい3つの基本

繁殖や脱皮の話に入る前に、まずはエビが安心して過ごせる水槽環境の基本を整理しておきましょう。

水質・水温が安定した水槽に迎える

エビは魚以上に水質の急な変化に敏感な生き物です。

水槽の立ち上げ手順を扱った記事で紹介したサイクリング(2週間〜1か月程度、水槽内のろ過バクテリアを育てる期間)が終わり、水質が安定してからエビを迎えるのが基本の流れです。

立ち上げたばかりの水槽にいきなりエビを入れてしまうと、水質がまだ不安定なタイミングと重なってしまい、原因がわかりにくいまま調子を崩すケースが少なくありません。

すでに魚を飼っていて水質が安定している水槽に後から迎える、という順番のほうが、エビにとっては無理のないスタートになります。

隠れ家になる水草・レイアウトを用意する

エビは物陰に隠れる習性が強く、身を隠せる場所が少ない水槽では落ち着かず、ストレスを感じやすくなります。

初心者向けの水草を扱った記事で紹介したウィローモスは、流木や石に活着させて茂らせておくと、エビにとって絶好の隠れ家になります。

特に後述する稚エビは、隠れる場所がないと親エビや魚に見つかりやすく、生存率が大きく下がってしまいます。
繁殖を楽しみたいなら、水草によるレイアウトはコケ取りのとき以上に重要度が高いと考えておきましょう。

混泳させる魚の体格差を確認する

混泳の相性を扱った記事で触れた「体格差」の視点は、エビを主役として楽しむ場合はさらに重要になります。

ネオンテトラやコリドラスのようなおとなしい小型魚との混泳であれば大きな問題は起きにくいですが、体の大きな魚と一緒に飼うと、せっかく増えた稚エビが片っ端から食べられてしまい、「増えているはずなのに数が減っていく」という状態になりがちです。

繁殖まで楽しみたいなら、エビ・貝だけの水槽にするか、体の小さいおとなしい魚に限定するのが確実です。

ミナミヌマエビの繁殖を楽しむ

ミナミヌマエビの大きな魅力の一つが、家庭の淡水水槽の中だけで世代を重ねて繁殖してくれる点です。

抱卵のサインを見つける

メスのお腹側、脚の付け根あたりに緑がかった粒々のかたまりを見つけたら、それが卵を抱えた「抱卵」の状態です。

抱卵から孵化までは水温にもよりますが2〜3週間程度が目安とされ、卵の色がだんだん透明感を帯びてくると、孵化が近づいているサインです。

ヤマトヌマエビも同じように抱卵はしますが、孵化した幼生(ゾエア)は汽水でないと育たないため、家庭の淡水水槽の中だけでは基本的に育ちません。

「淡水だけで世代を重ねられるのはミナミヌマエビ、ヤマトヌマエビは実質的に増えない」という以前の記事の整理は、繁殖という切り口で見ても変わりません。

お腹に緑がかった卵を抱えたミナミヌマエビのマクロ接写

稚エビが生き残りやすい環境を整える

ミナミヌマエビの稚エビは、生まれた瞬間から親と同じ姿をしたごく小さなエビとして生まれてきます。

体が小さく動きも鈍いため、フィルターの吸水口に吸い込まれたり、魚や親エビに食べられたりと、生存率を下げる要因がいくつもあります。

ウィローモスなどの茂った水草を用意しておくと、稚エビが身を隠しながらコケや微生物を食べて育つ場所になり、生存率がぐっと上がります。

フィルターの吸水口にはスポンジ状のカバー(プレフィルター)を取り付けておくと、稚エビが吸い込まれる事故を減らせます。

この記事で紹介した商品

吸水口スポンジ 水槽用プレフィルタースポンジ 10枚入り

吸水口スポンジ 水槽用プレフィルタースポンジ 10枚入り
フィルターの吸水口に取り付けて稚エビの吸い込みを防止するカバー
¥740

※価格は記事執筆時点のものです。
購入前に最新価格をご確認ください。

増えすぎて過密になったときの対処

環境が整うと、ミナミヌマエビは想像以上のペースで数を増やしていきます。

水槽の容量に対してエビの数が増えすぎると、水質の悪化を早めてしまうため、増えすぎたと感じたら数を管理する必要が出てきます。

選択肢としては、里親を探して譲る、別の水槽を増設して分ける、といった方法が現実的です。

間違っても、増えすぎたからといって川や池に放してよいわけではありません。

この点については、水槽ごと引っ越しさせるときや、水槽を手放すときの生体の扱いを扱った記事で詳しく整理しています。

脱皮のサインと注意点

エビはカニやザリガニと同じ甲殻類の仲間で、成長にあわせて硬い殻を脱ぎ捨てる「脱皮」を繰り返します。

抜け殻はエビの死骸ではない

水槽の底やレイアウトの陰に、エビとそっくりな形をした半透明の抜け殻が落ちているのを見つけて、「エビが死んでしまった」と驚いた経験がある人は多いはずです。

脱皮の抜け殻は、頭から尾までの形がそのまま残っているためエビの死骸に見えますが、実際は殻だけが抜け落ちたものです。
本体のエビは脱皮直後、レイアウトの陰でじっとしていることが多く、少し探すと元気な姿を見つけられるはずです。
抜け殻にはカルシウムが含まれているため、無理に取り除かず、エビ自身に食べさせておくのがおすすめです。

成長期の若いエビは数週間に1回程度のペースで脱皮を繰り返しますが、成体になるにつれて脱皮の頻度は落ち着いていきます。

水槽の底に落ちた半透明のエビの抜け殻と、そばにいる生きたエビのマクロ接写

脱皮不全のサインと予防

脱皮そのものは自然な成長の過程ですが、殻がうまく脱げずに体の一部が殻に絡まったまま動けなくなる「脱皮不全」を起こすこともあります。

脱皮不全は水質の悪化やカルシウム・ミネラル不足が原因になりやすいとされており、頻発するようなら水換えのペースや水質を見直すサインと捉えるとよいでしょう。

抜け殻を食べさせてカルシウムを補わせることに加えて、市販のミネラル添加剤を利用する方法もあります。

この記事で紹介した商品

【BeeQuest】濃縮ミネラルサプリメント 海老之郷 (250ml)

【BeeQuest】濃縮ミネラルサプリメント 海老之郷 (250ml)
シュリンプの脱皮不全の予防・改善と繁殖率向上を目的としたミネラル添加剤
¥1,490

※価格は記事執筆時点のものです。
購入前に最新価格をご確認ください。

エビが死んでしまう主な原因

ここまで繁殖・脱皮という前向きな話を扱ってきましたが、エビは魚以上に体力がなく、思わぬきっかけで調子を崩してしまうことも少なくありません。

水合わせの失敗

お店で購入した袋の水と水槽の水は、pHや水温が異なることがほとんどです。

購入したエビが入った袋を水槽の水面に浮かべて、水温をなじませている様子

エビ・貝を扱った記事で紹介した「点滴法」で時間をかけて少しずつ水槽の水に慣らすことが、迎えた直後のエビを守る一番の対策になります。

急いでいるからと袋の水をそのまま水槽に入れてしまうと、迎えた当日〜数日以内に調子を崩してしまうことがよくあります。

水質の急変・薬品や銅イオンの混入

一度に大量の水換えをしてしまうなど、水質を急激に変化させる行為はエビにとって大きな負担になります。

魚の病気治療に使う薬品には銅の成分を含むものがあり、エビ・貝のような無脊椎動物には強い毒性を持ちます。

魚の薬浴が必要になったときは、エビを同じ水槽に残したまま薬を投入せず、必ず別の容器に避難させておきましょう。

また、水道水を使う際のカルキ抜きを忘れると、水道水に含まれる塩素がエビには強いダメージになるため、水換えのたびに必ずカルキ抜きを行う習慣も欠かせません。

動かなくなった個体を「死んだ」と早合点しない

最後に、初心者が驚きやすいポイントをもう一つ紹介しておきます。

エビはじっとしている時間が長い生き物で、レイアウトの陰で動かずにいると、つい「調子が悪いのでは」「もしかして死んでいるのでは」と心配になりがちです。

先ほど紹介した脱皮直後の個体や、単に休んでいるだけの個体を早合点して取り除いてしまわないよう、体の色や姿勢、周りの抜け殻の有無を確認してから判断するようにしましょう。

実際に死んでしまった個体は、体が白っぽく濁ったり、時間の経過とともに姿勢が崩れたりするため、少し観察すれば見分けがつくようになります。

まとめ、エビを主役に飼うときのチェックリスト

ミナミヌマエビ・ヤマトヌマエビを主役として楽しむうえで押さえておきたいポイントを、あらためて整理しておきます。

テーマミナミヌマエビヤマトヌマエビ
淡水での繁殖できる(抱卵〜孵化2〜3週間程度)基本的にできない(幼生に汽水が必要)
脱皮の頻度成長期は数週間に1回程度成長期は数週間に1回程度
死因になりやすい主因水合わせの失敗・水質急変水合わせの失敗・水質急変(特に敏感)

抱卵から孵化までの流れと、稚エビを生き残らせるための環境の見当がついている。
脱皮の抜け殻がエビの死骸ではないことと、脱皮不全のサインがだいたいわかっている。
水合わせ・水質の急変・薬品混入という、エビが死んでしまう主な原因が頭に入っている。

エビを主役として飼い始めると、次に気になってくるのが水草のコンディションです。

ウィローモスやアナカリスが元気に育っていれば、エビにとっても居心地のよい環境が保てているサインになります。

逆に水草が溶けたり枯れたりし始めたときは、水槽全体のコンディションを疑うきっかけにもなるので、あわせて確認しておくとよいでしょう。

今日のアクション

  1. 自分の水槽にエビがいれば、お腹側に抱卵のサインがないか観察してみる
  2. 底やレイアウトの陰に抜け殻が落ちていないか探し、脱皮の様子を確認してみる
  3. フィルターの吸水口にプレフィルターがついているか、稚エビ対策の観点で見直してみる

次に読むべき記事

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

IT・Web分野を本業としながら、水槽・アクアリウム関連の情報発信を続けています。数年間、熱帯魚飼育の基本的な範囲(本格的な機材・繁殖等は未経験)を経験し、現在は飼育していません。「アクアリウム初心者ラボ」では、当時の実体験に加え、飼育書・メーカー公式情報・専門ショップの情報をもとに、これから始める方に役立つ選び方・注意点を客観的に整理してお届けします。

コメント

コメントする

目次