この記事の結論
- 初心者が魚を選ぶときの目安は「水温耐性・値段の手頃さ・水質変化への強さ」の3つ
- 特におすすめなのはネオンテトラ・カージナルテトラ・グッピー・プラティ・コリドラスの5種
- 混泳の組み合わせや水草との相性は、この記事では扱わず次以降の記事に譲る
水槽が立ち上がったら、いよいよ魚選びの段階
第2章では、水槽の立ち上げからフィルター・ヒーターの選び方、底砂・レイアウトの下準備までを見てきました。
「立ち上げから生体投入までのスケジュール表」+機材チェックリストで全体の流れを整理したので、ここからはいよいよ第3章、どんな魚を迎えるかという段階に入ります。
熱帯魚ショップやペットショップの水槽コーナーに足を運ぶと、色も形もさまざまな魚がずらりと並んでいて、正直どれを選べばいいのか分からなくなりますよね。
筆者も最初の水槽を立ち上げたとき、店員さんに「初心者にはどれがいいですか」とその場で聞くまで、値札と魚を交互に眺めて固まってしまった記憶があります。
そこでこの記事では、「丈夫で飼いやすい」という条件に絞って、初心者に向いている熱帯魚を具体的に紹介します。
なお、この記事では魚種そのものの紹介に絞り、複数の魚を一緒に飼う「混泳」の相性や、エビ・貝との組み合わせ、水草との相性には深入りしません。
混泳の相性は混泳できる魚・できない魚、相性の見極め方で、エビ・貝の選び方はエビ・貝を混泳させるメリット、コケ取り生体の選び方と注意点で、それぞれ改めて詳しく扱っています。
「丈夫で飼いやすい」を見極める3つの目安
魚の種類は数え切れないほどありますが、初心者が最初に選ぶ基準としては、次の3つを見ておけばおおむね外れません。
水温耐性の幅が広いか
多くの熱帯魚は24〜27℃程度の水温を好むとされています。
ヒーターやサーモスタットで一定に保っていても、季節の変わり目や停電・機材トラブルで水温が一時的にずれることは起こり得ます。
そうした多少の変動があっても大きく体調を崩しにくい、水温耐性の幅が広い種を選んでおくと、初期のトラブルに強くなります。
値段の手頃さ・入手しやすさ
1匹あたり数百円程度で買える魚であれば、万一体調を崩してしまっても、金銭的にも精神的にも次に進みやすいものです。

逆に、1匹数千円〜数万円する高価な種や、専門店でしか扱っていない珍しい種を最初から選んでしまうと、失敗したときのダメージが大きくなりやすいので注意したいところです。
大型ペットショップやホームセンターの熱帯魚コーナーでも普通に扱われている種類かどうかも、選びやすさの目安になります。
水質の変化に強いか
水槽を立ち上げたばかりの数週間は、ろ過バクテリアがまだ十分に定着していない「サイクリング」の時期にあたり、水質が不安定になりやすい時期にあたります。
この不安定な時期を乗り切れるだけの丈夫さがあるかどうかが、初心者向きの魚かどうかを分ける大きなポイントになります。
まとめると、初心者向けの魚選びは「水温耐性・値段の手頃さ・水質の変化への強さ」の3つを見ればいいのです。
この3つの条件を満たしやすい代表的な種類を、次の項目から具体的に紹介していきます。
群れで泳ぐ姿が魅力、テトラ系の定番2種
まず紹介したいのが、熱帯魚の代名詞ともいえるテトラ系の2種です。
ネオンテトラ、丈夫さと美しさを兼ね備えた定番中の定番
体長3〜4cmほどの小型魚で、体側に走る青いラインと、下半分の赤いラインが特徴的な、熱帯魚の中でも特に知られた種類です。
丈夫で価格も手頃(1匹あたり100円台〜のことが多い)なため、初心者が最初に選ぶ魚として真っ先に名前が挙がることが多いです。
ただし単独よりも、6〜10匹程度の群れで泳がせたときに本来の美しさが際立つ魚でもあります。
最初から複数匹をまとめて迎える前提で、水槽サイズや予算を考えておくとよいでしょう。

カージナルテトラ、ネオンテトラより一回り華やかな近縁種
見た目はネオンテトラによく似ていますが、赤いラインが体の端(尾びれの付け根近く)まで通っているのが見分け方のポイントになります。
体もひとまわり大きく、発色が鮮やかなため、水槽の中でより目を引く存在になりやすいです。
ネオンテトラよりやや高価な傾向はあるものの、丈夫さの面ではネオンテトラに近い感覚で扱えます。
ただし、好む水質(弱酸性の軟水)の幅はネオンテトラよりやや狭いとされるので、水換えで水質を急に変えないよう少し気を配ると安心です。
ネオンテトラと一緒に群泳させる組み合わせも定番で、色合いの違いを楽しみたい人にはこちらもあわせて検討する価値があります。

丈夫でよく増える、卵胎生メダカ系の2種
続いて紹介するのは、卵ではなく稚魚をそのまま産む「卵胎生メダカ」の仲間です。
グッピー、色柄のバリエーションが豊富な人気者
オスは尾びれが大きく発達し、オレンジ・青・黒など個体ごとに色柄のバリエーションが豊富なことで人気の高い魚です。
水質への適応力が高く、テトラ系と並んで初心者向けの代表格として紹介されることが多いです。
繁殖しやすいことでも知られており、環境が合うと水槽の中でどんどん稚魚が増えていきます。
賑やかになって楽しい反面、増えすぎると水槽が過密になりやすいという側面もあるため、あらかじめ知っておくと戸惑いにくくなります。

プラティ、グッピーよりおとなしい性格の近縁種
グッピーとよく似た卵胎生メダカの仲間で、体形はやや丸みを帯び、尾びれはグッピーほど大きく発達しません。
おとなしい性格の個体が多く、他の魚のヒレをかじってしまうようなトラブルも比較的起きにくいとされています。
丈夫さや価格帯はグッピーとほぼ同程度で、グッピーよりやや落ち着いた雰囲気の水槽にしたい人に向いています。

底砂の掃除役として人気、コリドラス
ナマズの仲間で、体長3〜7cm程度の小さな底棲魚(水槽の底を主な生活場所にする魚)です。
口の周りにあるひげを使って底砂の上を探り、他の魚が食べ残したエサを拾って食べてくれることから、「掃除役」として一緒に迎えられることが多いです。
温和な性格で他の魚を攻撃することはほとんどなく、テトラ系やグッピー・プラティとの水槽にも自然になじみやすいです。
種類が非常に多いのも特徴で、白と黒のまだら模様が特徴的な「パンダコリドラス」などが、入門種として特に人気が高いです。
単独よりも3匹以上の複数匹で飼うと、物陰に隠れすぎず落ち着いて過ごしやすい傾向があります。
なお「掃除役」とはいっても、コリドラスだけで水質やコケの管理がすべて完結するわけではない点は誤解しないでおきたいところです。

水槽サイズと魚の数のおおまかな関係
ここまで5種類の魚を紹介してきたが、実際に何匹迎えられるかは、水槽サイズによっても変わってきます。
「部屋の広さ・置き場所で選ぶ水槽サイズ」の記事で紹介した30cm規格・30cmキューブ・45cm・60cmといったサイズのうち、今回紹介した小型の魚たちであれば、30cm規格クラスの水槽からでも数匹程度を迎えることができます。
ただし、ネオンテトラやカージナルテトラのように群れで泳がせたい魚を複数種類組み合わせる場合は、水量に余裕のある45cm前後のサイズのほうが、水質が急変しにくく管理しやすくなります。
まとめ、まずは1〜2種類から気軽に始めてみる
今回紹介した5種の特徴を、選ぶときに見る項目ごとに早見表としてまとめました。
| 種類 | 体長 | 価格帯の目安 | 水温耐性 | 性格 | 向いている水槽サイズ |
|---|---|---|---|---|---|
| ネオンテトラ | 3〜4cm | 100円台〜300円程度 | やや狭め(23〜27℃) | 温和・群れを好む | 30cmキューブ〜 |
| カージナルテトラ | 4〜5cm | 200円〜400円程度 | やや狭め(23〜27℃) | 温和・群れを好む | 30cmキューブ〜 |
| グッピー | 3〜5cm(オス) | 300円〜1,000円程度 | やや広め(20〜28℃) | 温和・活発 | 30cm規格〜 |
| プラティ | 4〜6cm | 200円〜500円程度 | 広め(18〜28℃) | 温和・おとなしい | 30cm規格〜 |
| コリドラス | 3〜7cm | 300円〜800円程度 | 普通(22〜26℃) | 温和・底層でおとなしい | 30cmキューブ〜 |
価格帯・体長は個体差や購入時期によって前後するので、あくまでお店で選ぶときの目安として見てくださいね。
今回紹介したネオンテトラ・カージナルテトラ・グッピー・プラティ・コリドラスは、いずれも丈夫で価格も手頃な、初心者向けの定番種です。
すべてを一度に揃える必要はなく、気になった魚から1〜2種類選んで様子を見るくらいで十分です。
水温耐性・値段の手頃さ・水質変化への強さという3つの目安の見当がついている。
気になる魚が1〜2種類、だいたい絞れている。
この記事では混泳や水草との相性までは扱っていないことが分かっている。
実際に複数の魚を組み合わせて飼うときは、相性のよい・悪い組み合わせを知っておく必要があります。
混泳の可否や相性の見極め方については、この後の記事「混泳できる魚・できない魚、相性の見極め方」で改めて詳しく扱います。
今日のアクション
- 紹介した5種類の中から、気になる魚を1〜2種類選んでみる
- 近所のペットショップや熱帯魚専門店で、実際の価格・在庫を確認してみる
- 自分の水槽サイズで、群れを作るなら何匹くらい迎えられそうか考えてみる


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